第3回日本近視学会総会ランチョンセミナー

第3回日本近視学会総会ランチョンセミナー『コロナ禍、いま考えるダウン症候群』

共催:株式会社オグラ
会場:赤坂インターシティコンファレンス

2021年5月23日(日)に開催された日本近視学会にNPO法人アクセプションズ理事長として登壇させていただきました。ダウン症のある子どもを育てる親の立場で幼少期の眼疾患早期発見とメガネ装着の重要性についてお話ししました。

これまで医学部生に話す機会はありましたが、臨床や研究に携わる先生方に話すのは初めてです。近視より遠視が多い“ダウン症”についての話に関心を持つ先生方がいらっしゃるのか不安でしたが、会場41名、オンライン71名の計112名ものご参加がありました。

 

ダウン症の多くはメガネを必要とする合併症があり、眼科受診の頻度が高いのは知られています。合併症で多いのは遠視・乱視ですが、生涯お世話になる眼科の先生に、疾患だけではなく“ダウン症のある人”について広く知っていただける機会はとても貴重です。

 

前半は東京逓信病院小児科で長くダウン症の診療にご尽力されている小野正恵先生が、ダウン症候群の方の成長と発達について話されました。小児期はもちろん青年期以降の定期的な全身チェックとサポートの必要性、またダウン症のある人の暮らしや活躍についても触れられ、人生の節目でのアドバイスの重要性も含んだすばらしいご講演を聴く恩恵にあずかりました。

 

いよいよ後半、私の番がやってきました。ランチタイムのひととき、日頃お忙しい先生方に少しでも記憶に残るお話ができればと思い、ダウン症のある息子の成長とNPOの活動についてお話ししました。2歳の時に目の異常に気付き、早期に治療を開始できたことで弱視の進行を遅らせ、「見る」ことから学習面につながり、認知面だけではなく感受性や社会性などが成長しました。そして体の一部と言って過言ではないメガネの定期的なチェックはかかせません。なじみのメガネ専門店の店員さんとの信頼関係は息子にとって大切な社会とのつながりです。

 

NPOの活動を通して伝えたいこと、目指したい社会、障害の捉え方など、普段先生方が耳にすることのない言葉も多かったかと思いますが、皆様とても熱心に聞いてくださり感激しました。このような貴重な機会を作ってくださった座長の杏林大学医学部アイセンター教授の平形明人先生と株式会社オグラこどもメガネアンファンの皆様に感謝申し上げます。