代表の五本木さんのお嬢さんはアンジェルマン症候群があります。障害のある子どもを持つ母親という共通点もあり、さらにインクルーシブな社会を目指しているということに共感し、大いに話が盛り上がりました。
障害のある学齢期の子どもの放課後の過ごし方は、最近では放課後等デイサービス(以下、放デイ)が主流になってきています。「なぜ放デイではなくインクルーシブ学童なんですか?」とお訪ねすると、お嬢さんがインクルーシブな環境で育っていて、障害があるからと言って分けて育てることが差別につながる、子どもは子ども同士の関りの中で育つ、大人はその関りを促す役目に徹するのがいい、という言葉が印象的でした。
ただ一方で、障害のある子どもにとって放デイのような施設も必要で、こちらの学童に通う児童の中には放デイも利用している子どももいるとのことでした。障害があるから限られた場所にしか行けないのではなく、地域の中で複数の場所が第三の居場所となるといいなと思いました。
ただ親として心配なのはトラブルや障がいのない子どもの親の理解。それについても聞いてみると、障害のある子とない子がいる環境で、さらに障害による特性も様々なのでトラブルは起きて当たり前。子どもは相手が自分と違うということに対して違和感があって当然だし、違いに気づくことはその先の理解に続くためのきっかけにもなる。障がいのない子の親御さんに対しては、お子さんの成長変化を楽しみにしてくださいと伝えています、という言葉がさらっと出てきました。五本木さんににっこりと微笑まれてそう言われると、お任せしてみようと思ってしまうでしょう。
それぞれの施設を見学させていただいた時、職員さんたちの子ども達やお迎えに来た親御さんたちへの対応が気持ちいいなあと感じました。職員の研修について聞いてみると、年に一回、50人の職員一人ひとりと1対1の対話の場を設けているとのこと。経営者として、職員のみなさんに、ここで働いくことがいい経験になった、自分のプラスになったという意識を持ってほしいと。子ども達のことだけではなく、職員の人生まで考える姿勢に脱帽です。
コロナ以前から、子ども達の放課後の過ごし方、特に障がいのある子どもの放課後の過ごし方については様々な意見や問題があります。それは学童期だけではなく中高生も同じです。
今回の訪問を通して、DPI日本会議さんの制度政策の提言にアクセプションズとしても協力していきたいと思います。