============================================================ 「わたしはダフネ」 7月3日(土)より、岩波ホールほか全国順次ロードショー (c) 2019, Vivo film - tutti i diritti riservati 配給:ザジフィルムズ ============================================================ 監督・脚本:フェデリコ・ボンディ 原案:フェデリコ・ボンディ、シモーナ・バルダンジ エグゼクティブ・プロデューサー:アレッシオ・ラザレスキー プロデューサー:マルタ・ドンゼリ、グレゴリオ・パオネッサ 撮影:ピエロ・バッソ 編集:ステファノ・クラヴェロ 音楽:サヴェリオ・ランツァ 衣装:マッシモ・カンティーニ・パリーニ 出演:カロリーナ・ラスパンティ、アントニオ・ピオヴァネッリ、ステファニア・カッシーニ、アンジェラ・マグニ、ガブリエレ・スピネッリ、フランチェスカ・ラビ 2019年/イタリア/イタリア語/94分/カラー/シネマスコープ 原題:DAFNE 字幕翻訳:関口英子 配給:ザジフィルムズ 後援:公益財団法人日本ダウン症協会 厚生労働省社会保障審議会 推薦 【中学生以上、保護者・指導者等、一般(啓蒙) 】 www.zaziefilms.com/dafne/
映画『わたしはダフネ』特別先行試写会&トークイベント 開催レポート
主催:(株)ザジフィルムズ 協力:NPO法人アクセプションズ
2021年6月28日、東京・渋谷にて、映画「わたしはダフネ」特別先行試写が行われ、上映後のトークイベントでは、主演ダフネ役を務めたカロリーナ・ラスパンティさんが、イタリアのご自宅からオンラインで出演され、映画のことから普段の生活の様子、イタリアのインクルーシブ教育まで、様々お話を伺いましたので、その一部をご紹介させて頂きます。
映画「わたしはダフネ」〜岩波ホールほか全国にて順次公開中〜
ダウン症のある娘ダフネと、父親が、母親の死を乗り越え、互いを理解し合う旅路に歩み出す姿を描いたイタリア映画で、あらゆるシーンにおいて、ダフネの紡ぐ言葉が印象的な映画です。
カロリーナさんが日本でインタビューに答えてくださるのはこれが初めて(本邦初)と言うことで、実は私、当日まで、ダウン症のあるカロリーナさんと、通訳の方がいらっしゃるとはいえ、言葉の通じない中、しかもオンラインで、どこまでトークイベントが成り立つのか、不安な部分、見えない部分があったのですが・・・、
いざ、オンラインで繋がってみると、さすが堂々とされていて、お話も素晴らしくお上手で、私の心配は全くの杞憂に終わりました(笑)
なんと、カロリーナさん、映画の中と同様に、実際にも地元の生協スーパーに正規雇用され、現在も食品部門の責任者としてバリバリ働いていらっしゃるということで、ご自身でマンションを購入されていました。
両親もそこで一緒に暮らしているとのことで、この日お母様も一緒にインタビューに答えてくださいました。
映画のワンシーンに、ダフネが「自分のお金もカードも持っている。自分で決めさせて」と言う場面がありましたが、実際にお金の管理についてお母様に尋ねてみましたら、給与はカロリーナさんご自身の口座に振込まれ、ご自身で管理されているそうで、カロリーナさんがご自身で住むマンションを購入されたことをとても嬉しそうに話してくださいました。
■セリフはどうやって覚えたのですか?
カロリーナさん:『セリフは全て決まっていたわけでもなく、脚本も渡されていません。』
え〜?!と、これには会場の皆さんからも驚きの声があがりました。
撮影に行くと、監督から今日はここで、こんな風にしてくださいと説明を受け、あとはカロリーナさんらしさを出せるよう、彼女に合わせて撮影が進んだとのこと。
あの数々の印象的なセリフは、台本に書かれたセリフではなく、カロリーナさんご自身の言葉だったとは・・・本当に驚きました。
■ダウン症や障がいのある人たちが、その人らしく社会で活躍するためには何が必要だと思いますか?
カロリーナさん:『まず、社会が彼らをそのまま受け入れることが一番大事なことだと思います。誰かを排除しようとかそう言うことではなく、彼らをインクルージョンすること。そして、誰もが日々の暮らしの中で、社会に参画していくことが大切なことだと思います。』
■(お母様に向けてのインタビュー)カロリーナさんはどんなお子さんでしたか?子育てにおいて大事にしたことがあれば教えてください。
お母様:『スペシャル(特別な子)です。あまり知られていませんが、ダウン症のある子どもは、沢山のものを持っていることを知っている。子育てでは、他の子たちと同じように育てました。イタリアはインクルーシブ教育なので学校でも通常の子たちと一緒に育ちました。』
と、このお母様にしてカロリーナさん有りと頷けるほど、終始とても明るく笑顔で嬉しそうにお話し下さったことがとても印象的でした。
■学校生活を振り返ってみて、いかがでしたか?
カロリーナさん:『楽しい学校生活でした。先生や同級生の友だちも協力的で、自分に何ができるのか探ることができました』
■日本の皆さんへのメッセージ
『自分自身を大切に、常に自分らしくあることが大事です。』
と、最後まで力強いメッセージを送って下さったカロリーナさん。
まさに映画「わたしはダフネ」が表現していることのように思いました。
そして、状況が許せば日本にも行きたいと話してくださいました。
この映画が、新型ウィルスの影響で、1年以上の公開延期を経て、上映が実現したように、是非いつの日か、カロリーナさんやご両親、監督にも日本にお越し頂きたいなと思います。
とてもチャーミングで、映画と同様に、実際にも赤い髪の毛がとても良くお似合いだったカロリーナさん。美容室にも通い、美容やお洒落にも気を遣っているとのことで、同じダウン症のある年ごろの娘を持つ母親としては、とても希望の持てるお話しでした。
2020年ベルリン国際映画祭でカロリーナさんと出会い、日本にこの素晴らしい映画を持ってきてくださったザジフィルムズ様、特別試写会&トークイベントの機会を設けて下さいましたことにも心より感謝申し上げます。
この映画が一人でも多くの方に届きますように。
アクセプションズ理事・フリーアナウンサー
長谷部真奈見
映画「わたしはダフネ」〜岩波ホールほか全国にて順次公開中〜
試写会に参加された方からの感想(一部抜粋)
- ダフネ役のカロリーナは魅力的、役そのものに思えた脚本を読んでないとうかがい自然な演技に納得と同時に才能に驚いた。映画と同じくらいオンラインが良かった。
- 上映後のトークショーがとても良かったです!(司会の方がダウン症のある子がいらっしゃる方ということで、質問がとても良かったです。)
- ダフネの自由さ、明るさに魅せられた。その人らしく生きることが周囲を明るくするんだと感じた。「ダウン症の」と説明があることが違和感があるくらい。一人の人として魅力的だと思いました。人の与える力を感じる映画。特別なことではない日々の暮らしに宝物がある。
- ダウン症の映画はこれまでみてきたものほとんど暗くて好きな映画がなかったんですが、この映画は主演女優が映画の軸となっていて良い女優さん出てきたと思いました。
- ダフネの顔がいい!お父さんの顔が次第にやわらかい笑顔になっていくのが良かった。
- 固定観念を捨てられるかも。
- いつも娘に接してくれる人達にすすめたい。学校の先生や区議・都議にこんなふうに素敵な生活を送ることができるということを知らせたい。
- おしゃれなイタリアの映画だなと思いました。主人公二人の演技力がすごく良いので。最後のお父さんの表情が良かったです。
- とても自然な映画。ダフネがとなりにいるよう。