アクセプションズ高橋です。

 

2021年11月、國學院大學 人間開発学部の高橋幸子教授の授業にゲスト講師の依頼をいただき、特別支援教育について学ぶ学生たちに対し、アクセプションズの古市/岡崎/高橋で講義をさせていただきました。

 

冒頭、ダウン症に関するクイズでアイスブレイクをした後、子供と子育てについて、アクセプションズの活動内容、学校での学びの具体的事例、障害の社会モデル、公教育における平等や公正とはどういうことなのか等を通じて、共に学び育つことについてお伝えさせていただきました。

 

 聴講いただいた方には、意識がどう変わったかを調査するために、受講前、受講後それぞれでアンケートへの回答をお願いしており、ここでは前後でどのような違いがでたか比較したいと思います。

回答者は115件。小中学生のころダウン症のある人と過ごした経験のない人が60%、中学校以降会ったことがない人が76.5%の接触経験がある人が対象で、大学1年生が82.5%となります。

①障害のある子供の学校について

障害のあるこの学校はどちらが良いと思いますか?(支援学校or地域の学校)という質問に対して、受講前に特別支援学校へ通ったほうが良い(分離したほうが良い)と考える人が37.4%、受講後は13.2%の人が特別支援学校へ通ったほうが良いと回答しました。受講後24%の方の意見がインクルーシブ教育よりへとかわり、86.8%の人が障害の有無にかかわらず地域の学校で日常的に過ごしたほうが良いという回答をいただけました。

障害のある子が支援学校を選んだほうが良いと考える13.2%の人の理由は、専門知識の有無が一番多く93%となりました(表1)。

表1 支援学校で学んだほうが良いと思う理由

また地域の学校を選んだほうが良いと考える86.8%の理由は、地域の学校にはいろいろな子供がいて多様性を学ぶことができる。いろいろな経験を通じて共に学ぶことが成長につながるが70%を超え選ばれました(表2)。

表2 地域の学校で学んだほうが良いと思う理由

②受講前後での意識変化について

 ダウン症のある人のイメージがかわり、会ってみたい(すごくそう思う・少しそう思う)、また障害のある人と一緒にイベントに参加してみたいと思った人(すごくそう思う・少しそう思う)が9割を超えました。障害の理解についてもすごく変った人が8割を超え、少しそう思うを含むと99%の人が理解が深まる結果となりました(表3)。

表3 受講前後のイメージ

③講義の感想

講義の感想や今後やってみたいことなど自由に回答いただきました。

  • イベントやボランティアに参加してみたいと思いました。
  • 医療や教育などの連携はどの場面であっても重要となってくるので、教師を目指すうえで体制を整えられると思いました。
  • 学校の先生と協力して体育の授業で跳び箱の授業を楽しくできるよう工夫したことが一番印象に残った。私が先生になったら保護者の人と連携してクラスのみんなが楽しく過ごせる環境を作りたいなと思いました。
  • 公正と平等の話を聞き、できないからダメではなくどうしたらできるようになるのかということを考えていくことが重要であると強く考えました
  • 「担任次第」という言葉が印象に残っています。障害の有無にかかわらず担任の先生が子供に与える影響が非常に大きいことを改めて感じました。
  • 特別支援の免許を取得して、通常学級の教員になった際にどんな児童や家族の方にも向き合い、理解し、できる限り適した対応をすることのできる教員になりたいと思いました。
  • 社会や教育現場の考え方によってできる配慮が変わってくることもよくわかったので、将来先生になったらみんなが過ごしやすい環境を目指して教育づくりをしたいと思いました。
  • 今回話を聞くことができて本当に良かったのは、社会モデルの重要性と、幼少期からふれあっていることの大切さを痛感できたことです。

その他多くの意見をいただき、講義をしたメンバー本当に感動しています。先生になってくれる志の高い人たちと話せたことも、話したことを通じて障害の有無にかかわらず共に学び育つことについて考えられたことに感謝しています。

また高橋幸子教授からは「貴重なお話を伺うことができ、学生にとって有意義な時間になり、心より感謝しております。皆様から紡ぎ出された珠玉の言葉は、学生たちの胸にしっかり刻まれたと思いました。アクセプションズの皆様とのご縁を大変有難く思っております。今後も末長いお付き合いをお願い申し上げます。インクルーシブな社会を築く若者を育てるお仲間として。」とコメントを頂戴しました。

 


アクセプションズでは大学をはじめとした講義活動を実施しております。教育・医療・公衆衛生・キャリア教育・CSRCSV活動等、講義テーマに応じてお話しさせていただいており、おかげさまで高い満足度を得ております。ご興味のある自治体・大学・各種団体等の皆様はお問い合わせフォームからご連絡くださいませ。