映画「弟は僕のヒーロー」

映画「弟は僕のヒーロー」試写会報告

アクセプションズ岡崎です。

 

2024年1月公開の映画「弟は僕のヒーロー」の試写会にご招待頂き、行ってまいりました!

こちらの作品は実話を元にした物語。


2015年3月21日の「世界ダウン症の日」に、イタリアに住む高校生ジャコモ・マッツァリオールがダウン症のある弟を主人公にしたショートムービー「ザ・シンプル・インタビュー」をYouTubeに公開。それが瞬く間に反響を呼び、ジャコモが自分と弟の物語を出版することになり。この小説が原作となっています。


【あらすじ】

映画の主人公は、二人の姉を持つ男の子、ジャック。

ジャックが5歳のとき、弟の誕生を知らされて大喜び。

病院では父と母が医師から生まれた子にダウン症があると告げられます。

ジャックはジョーと名付けられた子が両親から「特別な子」だと教えられ、弟はきっとスーパーヒーローに違いない!と思います。弟の特徴を全てポジティブな解釈に変換し、弟は凄い!と率先して世話を焼き、仲良く育ちます。

やがて二人は成長し、ジャックはヒーローと思っていた弟ジョーがダウン症だと理解し、ジョーのことをだんだん疎ましく思うようになります。

高校に進学したジャックは弟の存在を恥ずかしく思い、ジョーの存在を隠してしまうどころか、学校で兄弟の話になったときにジャックは咄嗟に「弟は死んだ」と嘘を付いてしまいます。それを維持するためにジャックはまた別の嘘をついてしまい…


【感想】

ダウン症の子供を持つ親としてはジョーが産まれたときから、その後のジョーの様々なエピソードが涙腺を刺激してきてハンカチなしには観られませんでした。

ジョー役はダウン症のある役者ロレンツォ・シストさん。非常に魅力的で、愛に溢れていながらもお茶目なジョーを演じています。

そしてジャック役のフランチェスコ・ゲギさんも、ちょっと背伸びしたい、カッコよく見られたい、ナメられたくない、という気持ちから、本心とは違う行動を取ってしまうという高校生の心理を、魅力的に表現されておりました。

突っ張っていても本当はジョーのことを大切に思ってることが分かる場面もあり、個人的にティーンエイジャーの親目線で「ホントは良い子なのに…!」とハラハラしながら見守っておりました。


その後のエンディングまでのストーリーも素晴らしく、「世界60万人が泣いた」とサイトに書いてありますが、まんまと60万1人目に入るくらい泣いてきました。


一つの青春映画としても素晴らしいだけでなく、きょうだい児から見てダウン症のある兄弟とはどのように見えるのか?という一つの事例を、魅力的なジョーを通じたドラマにしてくれており、ダウン症のある人の家族は勿論、その周りの全ての人に見て頂きたい作品だと思いました。


尚、2023年12月6日に原作の邦訳版が小学館文庫から発売とのことです。