国連が定めた『世界ダウン症の日』は 2012 年から世界中で啓発イベントが始まりました。 同じ年に日本で初めて開催されたアクセプションズによる『バディウォーク東京』。 渋谷の代々木公園は美しい紅葉に彩られ、参加した誰もが笑顔で第一歩を踏み出しました。
この 10 年間で、日本の障害のある人を取り巻く環境は大きく変わってきました。 障害者権利条約の批准を目指して国内法が整備され、SNS の普及とともに障害のある人や家族が自ら発信し、もっと生きやすい社会に変えたいと行動する人が増えてきました。
私たちアクセプションズはそんな時代の変化の中で、毎年バディウォークやイベントを通してダウン症について知ってもらいインクルーシブな社会を創ることを目的に、今までにないやり方で常に時代の少し先を見て活動を続けてきました。 バディウォークは年々規模も大きくなり、全国に広がり、支援してくださる企業団体も増え、 大きなイベントとして成長してきました。
ところが2020年、全世界にコロナウイルス感染症が拡大しパンデミックとなりました。 私たちはコロナ禍においてリアルに集まる自由が奪われ、誰もが長期間、移動の自由を制限されました。
しかし、このことは同時に新たな自由ももたらしました。 今までとらわれていた慣習や既存のルールを見直し、新たな生活スタイルや価値観が生まれました。(自由への第一歩)
台湾のデジタル大臣オードリー・タン氏の「自由への手紙」という本に、もう一つの自由としてポジティブ・フリーダムについて書かれています。
「ポジティブ・フリーダム」とは自分だけでなく他の人も解放して自由にしてあげること。 みんなが自由になるにはどうすればいいのか、具体的な ToDo を考えること。自分の可能性を力に変え、その力を誰かのために役立てることです。
(略)
自分が変えたいと思っていることを、変えられる人。
自分が起こしたいと思っている変化を起こせる人。
それこそ、自由な人です。
(略)
自分が自由になるだけではなく、みんながみんなを自由にするために行動を起こせたら、すごいことです。自由をお互いにシェアしよう。
この10年間、バディウォークがあるから繋がれた人たちがたくさんいます。 そしてともに歩んできたダウン症のある人達からたくさんのことを教わりました。 彼らがいてくれたからこそ私たちは変化を起こすことが出来たのです。
3月21日の『世界ダウン症の日』にはダウン症のある人達と自由を分かち合いましょう。 そしてまた次の一歩を踏み出しましょう。
いつも応援してくださる皆さんへの感謝の気持ちは溢れるばかりで言葉になりませんが 、 今後も私たちが活動を続けることで皆様に感謝を伝えていきたい と思いますので変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。
これまで多くの方に支えられて、『バディウォーク東京』は10周年を迎えます。 ダウン症のある人たちとみんなで歩んできた10年、おめでとうございます!
NPO法人アクセプションズ 理事長
古市理代