こんにちは、古市です。
2025年2月28日に映画「僕とオトウト」バリアフリー上映会に参加してきました。

イベントホームページ
https://www.dpi-japan.org/blog/events/0228bareer_free/
このイベントは、2025年大阪・関西万博に向けた文化芸術ユニバーサル・ツーリズムプロジェクト連携プログラムの一環として開催されました。
この映画は、主人公の兄と重度の知的障害を持つオトウトの兄弟関係を描いた作品です。
映画「僕とオトウト」公式ホームページ
https://boku-to-otouto.com/
上映会の後には、髙木佑透監督(映画の主人公)、弁護士で全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会副会長の藤木和子氏、DPI日本会議事務局長補佐の笠柳大輔氏、アクセプションズ理事長の古市、DPI日本会議議長補佐の崔栄繁氏(コーディネータ)でトークセッションが行われました。このセッションでは、きょうだい、家族、コミュニケーション、そして誰もが暮らしやすい社会について、さらに深く議論されました。
映画を観た感想
障害のあるきょうだいの目線で描かれた映画はめずらしく斬新でした。印象に残ったのは、主人公(兄)が父親と本音で語り合うシーンと、最後に主人公がカメラの前で自分語りをするシーンです。
一般的に、障害のある本人がどうすれば幸せになれるかと考えがちですが、この映画をみて、きょうだいを主語にして語り合える場も大切だと感じました。ただ、きょうだいといっても千差万別で、家族関係も様々です。家族の一員に障害のある人がいることが、それぞれの人生に影響を与え、ライフステージの節目で悩みが生じることが、きょうだいの視点からも感じられました。
トークセッションでは、おなじきょうだいという立場である藤木さんが、親から「あなたは恵まれている、感謝しなさい」という言葉に常にプレッシャーを感じていたこと、言葉にできない気持ちを抱えているきょうだいに寄り添いたいという言葉にハッとしました。障害がない=恵まれている、というのは偏見・差別につながる、それを親が教えてしまうことに違和感を感じました。
劇中で、オトウトがいたずらで火事を招くシーンがあり、単なる「いたずら」では済まされない行為に対して、主人公がオトウトに「どう伝えるべきか」「どう受け止めるべきか」葛藤するシーンが見ていて辛かったです。
そして、髙木監督が映画を撮っていくうちに自身の心境に変化が生じたこと、父親との葛藤、親亡き後のこと、映画で伝えたかったマクロとミクロの視点、その言葉一つ一つが丁寧に語られました。
主催のDPI日本会議は障害者の権利の実現をめざし様々な運動をしたり政策提言をしている団体です。トークセッションにおいて、笠柳氏が障害者がいなくなる社会ではなく、障害があっても暮らしやすい社会をつくりたいと言っていました。
私自身も、知的障害のある人の「18歳の壁」について触れ、成人した重度障害者を家族だけで支え続けるのは限界があること、地域社会としてどう支えるかという視点も大事であることを伝えました。
衆議院会館ということで何名か国会議員の方も参加されており、これからの行政のしくみ作りに今回の映画とトークセッションが良いヒントになることを願っています。