2014年、京都と東京、2つの場所でバディウォークが開催されました。いずれも300名以上が参加し、一般の人にダウン症を知ってもらうきっかけになりました。
第1回となる京都のバディウォークはどのように開催されたのか。
アクセプションズの黒木が主催・京都ニンジャムキッズのメンバーと糺の森ワンダーマーケットのオーガナイザー・スズキキヨシさん(おんらく市場)に伺いました。

京都ニンジャムキッズ…「バディウォーク@京都」開催に向けて集まった仲間たち。コアメンバーは代表の武田さん、芦田さん(a.k.a. あしやん)、庄司さん、金子さんの4名。
http://kyoto-ninjamkids.com

糺の森ワンダーマーケット…今年で5回目となる、京都市左京一帯にあるさまざまなお店をつなぐスタンプラリー「左京ワンダーランド」が開催する一日イベント。
オーガナイザーのスズキキヨシさんは、おんらく市場(音楽ワークショップの企画・制作)代表、そして京都造形芸術大学の非常勤講師の顔も持つ。
http://sakyo-wonder.com/


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黒木:武田さん、みなさま、関西初となるバディウォーク@京都の開催、おめでとうございます!

武田:ありがとうございます!

黒木:武田さんは2013年の東京のバディウォークに参加されています。京都での開催に向けて感じたことはなんだったのでしょう?

武田:わたしが東京でのバディウォークに参加したとき、あの完成度の高さとスタッフの多さ、スポンサーの多さなどなど、すべてに、京都での開催を尻込みせざるを得なかったと言うのが一つの感想でした。こんな風にやりたいけど、これは自分から声かけでのスタートは出来ない、何年かかるかわからない、と思いました。アクセプションズの組織力圧巻すご!…と言うしかなくてこれは無理だ…と。
今回の京都は偶然と思い付きのかたまりでしたね~…こんな面白みが加わって開催に至ったというのは今回の醍醐味だったなと思っています。当日ぎりぎりまで何が起こるのかわからない、揺らぎのある面白さも。(コアメンバーの)あしやんや庄司さんや金子さんはハラハラだったかな~。こんな形がゆるされたのは、東京ウォークを体験していたのが私しかいなかった、ということにあるのかもしれない。今回Ustreamの映像をみんなが見て私以外のメンバーがどんな感想をもったかな~とまた話を聞いてみたいと思います。

黒木:今回、京都のバディウォークの計画はどのように進めましたか?

武田:アクセプションズの皆さまは驚かれるかも知れませんが、詳細な工程表など何一つない中、実行されたのが今回のバディウォーク@京都でした。スタッフは4名のみ、しかもメンバーの子供は1才から。子ども達を総勢11名連れての当日。ボランティアさんとも当日初顔合わせ当日説明のみで動いていただきました。
その4名が全員揃ったのは当日だけです。
打ち合わせも、facebookメッセンジャーを利用したやり取りがすべてでした。
笑えてくるほどに無謀な挑戦だったと言えます。
こんな状況でもスタートしてみたらなんとかできた!!
参加者さんの力まわりの力によってなんとかなった…というのが私達のバディウォークだったと思います。

黒木:なるほど、コアメンバーは4名。武田さんとあしやん、金子さんは京都、それに神戸の庄司さんが合流ですね。facebookメッセンジャーを通じてコミニケーションをして、それぞれが役割を進めていくのは今どきですね。

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武田:今回の京都企画の最も大切な土台となっているのはスズキキヨシさんの存在でした。大前提として、キヨシさんという存在がなければわたしはスタートしていませんでした。コアメンバーを4名としてカウントしていますが、わたしはキヨシさんをリーダーと認識しながら、はじめから最後まで歩んできました。
そして今後を考えた上でも何よりの支えであり大切な存在です。
バディウォークを出来ないだろうか?と一番に相談した相手がダウン症関連でつながった仲間ではなかったという点は今後の開催の中でもかなり特異なケースになるのではないかと思います。

黒木:何かすべては引き寄せられているように、組み合わさって、バディウォーク京都が実現したのですね。私もニンジャムキッズのfacebookメッセンジャーに入れさせていただきましたが、最初、熱心なキヨシさんを当事者の親だと思っていました。
なかなか当事者以外の方が中心となって引っ張っていく、というケースが無いもので、無くはないのでしょうけど、少ないと思います。
なので、キヨシさんが糺の森ワンダーマーケットのオーガナイザーと知ったときは、びっくりしました。
そういう立場の方が、バディウォークに興味を持っていただけることにありがたいな、と。バディウォークは当事者だけでなく当事者以外の人も歩こう、というインクルージョンやダイバーシティーも謳ってますから。

スズキ:なぜダウン症のある子供の親でもないのに関わることになったのか?
その答えのひとつとして、自分の根っこは音楽なので、音楽はバリアフリーなのだ、という事実の実践、つまり自分の表現活動として捉えているのです。もちろん、武田さんという存在無くしてはあり得ないことですが。

黒木:なるほど、表現活動のひとつとしてバディウォークをミックスさせたのですね。興味深いです。
糺の森ワンダーマーケットというプラットフォームでバディウォークを実施することが決まり、動き出すわけですが、コアメンバーの役割はどんな感じだったのでしょう?

武田:もともとひとりでも~と思っていたのでもっとみんなでちゃんと分担したらよかった…と反省するほどにおおまかな分担しかできてなかったのが現実でした。当日までの部分では友好団体声かけ、ボラ呼び掛け、含め、全てWeb関係は庄司さん、全米ダウン症協会(NDSS)への申請やり取り、保険申請などはあしやん、細かな意見出し、当日必要なもの作成は金子さん、あとはそれぞれにfacebook投稿や個別広報や依頼など出来る事をしていた感じでしょうか。
当日のプログラム的なものやイメージ、グッズ関連などの企画などはほとんどすべてキヨシさんとわたしで個別に打ち合わせをして組み立てていきました。後援、補助金、申請書類、予算案などもすべてほぼ独断でわたしが作成申請しました。
当日は、搬入をわたしと金子さん、パレード誘導当日まとめは庄司さんあしやん、当日の細々とボラさんとの打ち合わせの誘導はわたし、でした。
東京のバディウォークと比較すると特別な司会進行や誘導があるわけではありませんでしたし、当日はほんとただ歩くだけ、歩けてよかったね!というのがバディウォーク京都でした。
当日の盛り上げという部分では、全てキヨシさんにおまかせで、事前打ち合わせというほどのものも特になく、当日のお楽しみ!任せておけば大丈夫!という感じでした。

黒木:あまり負担をかけて実施しても継続が難しくなるので、みんなが負担に感じない程度に開催できたのはよかったですね。ところで、今回、京都市の助成金を申請しています。後援はどこへ、どのように、いつごろ行いましたか?

武田:後援は、日本ダウン症協会、京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)、京都府、京都新聞社会福祉事業団。京都市には、京都市人権啓発活動補助金の申請を出しました。
後援に関して、個人的に繋がりがあった日本ダウン症協会の理事・水戸川さまに、開催を考えはじめたかなり初期の段階でまず相談の連絡をしました。後援における条件の確認をさせていただき、大まかな予算書開催場所日時概要が確定した段階で申請7月17日し、23日に承認。トライアングルは京都の老舗親の会であり、事務局の皆さまとの繋がりが濃く、メールにて声かけその日のうちに口頭にて許可をいただきました。京都新聞は紙面でのイベント告知及び取材希望を添え申請、7月28日に申請、8月6日に許可。
基本的に詳細な予算書の添付が必要のない場所に関しては、場所日時概要が確定した段階ですぐ申請という流れです。
京都府に関しては、京都市への補助金申請の為の予算書の下書きが出来た段階で申請の相談、申請書内容の確認修正、予算書の確認修正を何度も繰り返し、補助金の交付予定額が確定した段階8月22日審査にまわり、9月10日に決定。補助金は開催経費の半分が補助されるもので、こちらも内容の確認修正を何度も繰り返し、8月12日審査にまわり20日に決定。
後援及び補助金申請先は、過去に別イベントでの申請の経験があった場所を選んでいます。

黒木:武田さん、戦略的ですね!ダウン症の関係者との合意形成をしたうえで、京都市への申請、確実に進めてましたね!

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黒木:今回、広報活動で良かった点はなんでしょう?

あしやん:既存の親の会などいろいろな団体に友好協力団体として顔の見える広報に重点を置いたのも良かったかと思います。
数年越しで信頼と実績を積み上げてこられた武田さんの行動力と信用にバディウォークというエッセンスが加わり、ダウン症というテーマはあったものの受付なしのフリースタイルイベントという自由な雰囲気での開催形式も心地よかったです。何よりも自分たちが一番楽しんでいたこと、左京ワンダーランド、糺の森ワンダーマーケットが最高のかたちでコラボしていただけたことが本当に大きかったと思います。

武田:何か新しい試みをする際に、もともとあるグループ、もともとある親の会の中で賛同を募り開催に繋げる事はなかなかに至難の技であることを数少ない経験の中で体験済みだった事もあり、いわゆる、仲間、という方には積極的に相談を持ちかける事はしませんでした。リスクも大きい事がわかっている、全くのゼロからスタートの企画に対し一緒に踏み出してくれる仲間を見つける事もまた至難の技でもあると考えていました。
キヨシさんとの繋がりという前提があって、「キヨシさんこんな事してみたいのだけど出来ないかな~」みたいな軽い流れからスタートし、キヨシさんのサポートがあるならば、一人からでも一人でもやろう、と思い、黒木さんにメッセージをいれる事になったのでした。

黒木:新しいことをやるためにはパワーが必要ですし、今までの考えとは違う発想も必要ですよね。アクセプションズもそうなのでよくわかります。
広報活動の一環としてサイトやfacebookを活用されているのが印象的でした。

庄司:(サイト制作は)とても計画的な作成という内容ではありませんが、初めに情報ありきだったので基本的なコンテンツ。 バディウォークとは? みたいなものからスタッフのこと、今回の企画への思いなどを中心にまとめました。
後は後援団体や友好団体と称して賛同していただける団体をリンクしていき、イベント紹介の輪や参加者を募る体制が徐々に出来上がり、イベント関連のニュースを頻繁に積み上げ、スタッフ全員での投稿でフェイスブックページPRするという感じでした。
京都ニンジャムキッズのHPとは別にバディウォーク@京都のカウントダウンタイマーをつくりスライド仕立てでのイベント紹介もしました。

黒木:実はアクセプションズのバディウォーク Vol.3のカウントダウンタイマーは京都ニンジャムキッズを真似しました(笑)。

庄司:とにかく自前なのでレスポンスの早さだけはどこにも負けない速攻性を重視したので、突貫工事的な出来栄えになってしまい、イベント終了後にショップページやメニューまわりを整備したくらいです。
参加表明をいただいた方には必須でメルマガ登録させてもらい、グッズ販売やのぼりが出来たよ~東京から横断幕がとどいたよ~的なニュースもメルマガ配信でお知らせしました。
全てにおいて、距離感を感じさせないスタッフ間の情報のやりとりが欠かせなかったし、コンタクトも頻繁に行われていたのでまるで打合せを毎日しているような感覚でした。 言葉の表現ひとつでも全員で書込あったり・・ほぼ私の独断設定ホームページですが(笑)
作ってアップしてはあしやんにチェックしてもらって即訂正、加筆なんてのもしょっちゅうの手作り感満載のWeb発信でした。 
参加表明カウンターも自作だったので電卓たたいたりしてました。 ショップ機能も当初はメールでの案内だったので受注してから返信、入金確認、発送のお知らせみたいな手間をかけての対応、連携チームプレーの賜物です。 
あえてダウン症児者の写真をWebに使用しなかったのも、楽しいイベントを全面に押したかったからかな~と今、思っています。 とりとめのないプロモーション話しとはかけ離れてしまい制作エピソードみたいになってしまいました。 ただ、報道関係や仲間、団体を増やすためにHPを見てもうらのが話すより早いのでページを見てもらってから友好団体となってもらったところもあります。 効果のほどは計れませんが友好を深めるために有効活用できたと思っています。

黒木:インターネットでのPRは鮮度やリアルタイム性が重要ですよね。その点で(京都ニンジャムキッズのHPの)参加表明者の数が日に日に増えていくのは、とてもワクワクしました。

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黒木:キヨシさんは振り返ってみていかがですか?

スズキ:(今回のバディウォークは)人との出会い、そして思いつきから、ですね。
5月の連休にマヤルカ古書店で開催したイベントで忍者装束と流し素麺、手拭い、ひょうたんが出会い意気投合?それを武田さん一家が確認した、という経緯がありました。その忍者がグラフィックデザイナーの數間さんであり、その出会いをきっかけに、自分が手がけているひょうたんスピーカーのカタログ制作を依頼、打ち合わせを重ねていく中バディウォークの話も浮上してきたため、チラシ&グッズ制作についてもこの流れに乗せてしまいました。
団体名も、全米ダウン症協会(NDSS)への受け狙いとして「京都」「ニンジャ」というキーワードから名付け、スタッフからの賛同を得たということです。
武田さんとの出会いからダウン症関連イベントを数回手伝うことができ今回に繋がったわけですが、糺の森ワンダーマーケットの開催があったことで下鴨神社を会場とすることができました。
3年前まで関東に暮らしていた身として、この人と人の繋がり方は尋常ではありません。京都のサイズ感に身を委ねることで得られた貴重な体験ですね!皆さんに感謝しています。

黒木:忍者のアイディアは素晴らしいな、と思いました。
なんというか、もちろんダウン症のある人のことを知ってほしい、という前提はありますが、それだけでは周囲の人を巻き込むには足りないと思います。なので、忍者をバディウォークに混ぜたことで、周囲も関心を持ちやすいコンテンツになったのかな、と。世界的にみてもユニークです。
バディウォークはアメリカで20年間の歴史があり、ハロウィンウォークはあったかもしれませんが、忍者そのものがテーマのウォークはないですし、主催者がニンジャムキッズですからね。これもユニークですよね。

黒木:当日の開催で苦労した点はなんですか?

あしやん:武田さんにいろいろな部分を一任してしまっている部分が多く、金子さんと時間確認しながら予定どおり動くと決めて集合写真に(なので実は集合写真に武田さん写ってません)
ウォーク開始にあたっては庄司さんと數間さんがお借りした横断幕とニンジャムキッズの幟をもち先頭。少し開けてAve Covo 3さんの隊列をスタートして全体を引っ張っていただきました。
ウォーク最後尾を歩いていたのですがワンダーマーケットの誘惑に途中で寄り道されてる方が多く段々バラケテしまい全員がゴール地点に着くのに時間がかかってしまいました。
ゴール地点で出迎えるスタッフをきちんと配置できなかったのが今回の反省点かな。
フリースタイルイベントなのでそれも良しなのですが交流時間に残ってくださっていたのがほとんど知り合い関係でした。
当日ぎりぎりまで揺らぎのある面白さ楽しかった(*^^)v
4人それぞれが持てる力全部注ぎ込んで。当日もその場その場でそれぞれが判断して作り上げていくワクワク感は何とも言えず楽しかったです。
そこに至るまでにグループメッセージや電話、メールなどいろいろな形で意識統一を計りシュミレーションしてイメージを積み上げていたことが大きかったと思います。
なので当日苦労した点は京都バディウォーク集客の最大の愉しみでもあった糺の森ワンダーマーケットの誘惑にゴールまで行こうと思っておられる方が誘われてしまった位かな。

黒木:確かに写真を見て、ワンダーマーケットの個性あるお店のなかを歩くとなると、誘惑されないわけないですよね。
当日、思い通りにいかないというのは、東京も同じです。来た方と一緒に作り上げていく、参加者は参加だけじゃなくて発信者でもあるんですよね。
というか、あんまり深いこと考えないで、楽しんでもらえれば、それが一番ですよね。

武田:マーケットの誘惑にまけてくださった方々が多かったのだとしたら…それは逆に当初の思惑通りとも言えます。バディウォークをきっかけにして、京都観光!思い出作り!が目的だったので。
私は東京ウォークを完全に観光としてとらえていたので。バディウォーク参加を理由に旅の計画に胸を膨らませ、なかなか会えない友人に会い、親戚達に会い…。
参加者内訳でも、市内の参加者は少数で、いつもの顔ぶれみたいなとこが思った以上に少なかったです。他の地域の方々が多く、だとしたら、もしも次回も開催を考えるならがっつり観光地をみんなで歩くみたいな発想で開催場所選んでもいいのかも…とかチラッと頭をよぎったりより柔軟な発想でさまざまな形がひろがれば愉しいかもしれません。何より不特定多数の人が自然と集まってくる場に私達が出ていくという事が大事だという前提ありだと考えています。

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黒木:武田さん、最後に全国で開催を考えている方にメッセージをお願いします。

武田:私達のウォークには楽しませる為の特別な要素はなかったしその部分をマーケットに期待しての同時開催でもあったから。キヨシさんと話していた中でだったか家族とだったか、バディウォークを開催することで、開催地の魅力も同時に発信できたらいいし、バディウォーク開催で人の行き来があることでその地域が潤ったり、活性化に繋がるならいいよねって思っています。だから今回は京都らしく日本らしくみたいな部分も出せてよかったなと。さあ次は何処に行こう!!みたいな感じで、あ!!名古屋!行きたい~あ!!仙台!行きたい~ってなるような、私達のとこに次はきてよ~って感じで、ご当地色あふれるご当地バディが開催されたら面白いなと思っています。

黒木:確かにブログやSNSを通じて、全国に友達ができて、リアルに出会うきっかけとして、各地のバディウォークがあるといいですよね!今回のバディウォーク東京でも、リアルで初めて会った人がいましたし、翌日はディズニーランドに行く方もいて、観光の一部として参加する方も多かったと思います。今後、全国各地で開催されて、そこでいろんな出会いがあるといいですね。
次回の京都も楽しみです!今日はありがとうございました!